漢方薬について 更年期障害に「加味逍遙散」は正しいの?使える症状と効果。 facebook tweet はてブ LINE 2017.10.07 by 林 泰太郎 0 女性が苦しまれる病気の一つに「更年期障害」があります。 最近では20代~30代におこる若年性更年期障害(プレ更年期)も多くなっていますが基本的には閉経をはさんだ、45歳~55歳の約10年間を「更年期」と呼びます。 この「更年期」に体のほてり(ホットフラッシュ)・大量の汗(スウェッティング)・動悸、息切れ、頭痛、めまい、うつ症状などがおこる事を「更年期障害」と言います。 この「更年期障害」に病院で一番使われている漢方薬が今回ご紹介します「加味逍遙散」です。 ただ症状によっては本当にこれでいいの?って思う事も多々あります。 加味逍遙散の説明していきますね~ 更年期障害に関しては、ホームページでお話ししています。 ぜひ参考にされてみて下さい。 太陽堂ホームページ 更年期障害 「加味逍遙散」てどんな漢方薬? まずは中身からですね~。「加味逍遙散」の中身は、 〇当帰 〇芍薬 〇白朮 〇茯苓 〇柴胡 〇牡丹皮 〇山梔子 〇甘草 〇薄荷 〇生姜 の10種類になります。 「逍遙散」という漢方薬もあり、中の「山梔子」と「牡丹皮」を抜いた漢方薬が「逍遙散」です。 「逍遙散」についてはまた違う機会にご説明させて頂きますね。 「加味逍遙散」には、血虚の生薬である「当帰」と「川キュウ」が入っています。 血虚とは、簡単にいうと血液不足の状態になり、血虚を補う事でホルモンを調節していきます。 血虚の漢方薬と言えば有名なのが「当帰芍薬散」です。「当帰芍薬散」は女性のお悩みに使われる事の多い漢方薬になり生理不順や不妊、浮腫みなどにも使っていきます。 また利水作用のある「白朮」、「茯苓」も「加味逍遙散」・「当帰芍薬散」共に入っています。 これだけを見てもホルモンを調節してくれる生薬が多く入っている為、「加味逍遙散」が女性の悩みに使いやすい漢方薬というのはわかりやすいですね。 ここに自律神経系(不眠やイライラ)の乱れを抑える生薬の「柴胡」や「牡丹皮」、「山梔子」などが入る事でイライラや不眠などにも使えるようになってきます。 また「柴胡」や「牡丹皮」は清熱作用や血流を巡らせる作用がある漢方薬です。 「加味逍遙散」の使える症状についてお話ししていきましょう。 東洋学の言葉で 「逍遙熱」と言われる症状があります。 「逍遙熱」は別名「寒熱交錯」と言い、カーッと暑くなったり急に寒くなったりを繰り返す症状です。 実際に症状がある方はわかりやすいと思いますが、「逍遙熱」は「体のほてり(ホットフラッシュ)」に良く似ていると思いませんか? その為、「体のほてり(ホットフラッシュ)」には効きやすい漢方薬だと思います。 しかしもう一つの大きな症状、「大量の汗(スウェッティング)」には効きにくいのではないかなと個人的には思っています… また更年期症状以外に使わるものとして「月経前症候群(PMS)」にも使われる事が多いです。 前述しましたように「加味逍遙散」は、ホルモンを整える漢方薬に加え自律神経系(不眠やイライラ)の乱れを抑える生薬も入っています。 「加味逍遙散」に色々な生薬を加える事で「月経前症候群(PMS)」や「更年期障害」などのご病気に使えるようになります。 他にも「生理不順」、「ホルモンが関係する皮膚病(ニキビなど)」などの女性のお悩みに。 別の使い方としては「熱を抑える作用」を利用して「肝臓病」など使える幅が広い漢方薬です。 「加味逍遙散」まとめ 「加味逍遙散」が「更年期障害」に使えるのは確かですが、症状次第の使い分けが必要です。 女性のお悩みだけではなく「肝臓病」など幅の広い漢方薬になっています。 やはり病名漢方ではなく、自分の体質や症状にあった漢方薬を探し飲む事が大事になってきますね。 関連