漢方薬について 痩せると噂の「防風通聖散」。実は色々な症状に使えます。 facebook tweet はてブ LINE 2017.09.22 by 林 泰太郎 0 「ダイエット」の漢方薬は「防風通聖散」。と言われるくらい有名な漢方薬になっています。 「ダイエット」以外の効能をご存知の方は少ないと思います。 なぜ「ダイエット」に使われているのか、その他の使い方なども含めて説明していきますね~ 最後に東洋学的な体重が増える原因やご紹介もさせて頂きます。ご参考にされてみて下さい。 「防風通聖散」はどんな効果があるのか 「防風通聖散」の中身あげていきます。(生薬量が多いので、長いなと思ったら飛ばして下さい。) 〇当帰 〇芍薬 〇川キュウ 〇山梔子 〇連翹 〇薄荷 〇荊芥 〇防風 〇麻黄 〇大黄 〇芒硝 〇桔梗 〇黄ゴン 〇石膏 〇甘草 〇滑石 〇乾生姜 になります。17種類という大変薬味の多い漢方薬になっています。 「防風通聖散」は、実証に使われる事が多く清熱作用のある漢方薬になっています。 ちょっと難しい話しになるのですが、東洋学の中には「一貫堂医学」と言われる分野があります。 「一貫堂医学」は人の体質を「オ血」、「臓毒」、「解毒」の3つに分類していて、漢方薬を出していきます。 「防風通聖散」が合うタイプは「臓毒」のタイプになります。 「臓毒」は簡単に言えば臓器の毒になり、新陳代謝障害などにより臓器の毒が身体に蓄積してしまった状態になります。 「臓毒」は「風毒」「食毒」「水毒」「梅毒」の4つの分類から成り、特に「食毒」を治す事から「ダイエット」の漢方薬と言われています。 「防風通聖散」に入っている生薬を見ていきましょう。 まずメインの漢方薬としては、便を柔らかくする作用がある「大黄」や「芒硝」により「便秘の解消」や「清熱」、「太鼓腹の改善」をしていきます。 東洋学的に便は熱になり、便秘をしてしまっている方は熱がたまっている状態になります。 水下痢になるくらい便が緩いとミネラルが少なくなる事で身体も疲れてしまうのですが、少し緩いくらいの便だと身体から熱がなくなっているので調子は良くなります。 その他の生薬に関しては、清熱・解毒の作用がメインになってきます。 「黄ゴン」、「山梔子」、「石膏」、「滑石」これらの生薬は清熱作用のある生薬になっています。 特に「石膏」は清熱作用が強い為、「石膏」と「大黄」が入っている「防風通聖散」は清熱作用の強い漢方薬になっています。 「清熱」・「臓毒」の解消により他の疾患にも 上記でもご説明したように「防風通聖散」は、「清熱」・「臓毒の改善」の効果がある漢方薬です。 「清熱」を利用する事により使える疾患は「副鼻腔炎」になります。 「副鼻腔炎」は、その名の様に鼻の副鼻腔に炎症がおこっている状態になります。 「防風通聖散」は炎症を取る作用もありますが、充血を抑え「体質的鼻閉」の改善にも役立ちます。 また「臓毒の改善」により皮膚病の「乾癬」にも使っていきます。 難治性の病気「乾癬」は食べ物に大きく関りがあると言われています。 「臓毒の改善」をしてくれる「防風通聖散」は、他の漢方薬と組み合わせる事で「乾癬」の改善にも繋がっていきます。 東洋学的な「臓毒」以外の体重が増える原因について 「防風通聖散」がダイエットに使われる理由がわかって頂けたでしょうか? ここからは「防風通聖散」が合わない体重の増加について少し話していきたいと思います。 その他の体重が増える原因とは 色々な原因があるのですが、何点かだけ挙げさせて頂きますね。 ①浮腫み ②体質 ③オ血(血の巡りの悪さ) この3つが大きな原因となっています。 結構多いのが「浮腫み」が原因の方になります。 私達、漢方家は舌診という舌を見る事で体質を判断させて頂く方法をとります。 舌を見ると浮腫まれている方が多いんです。 浮腫みが強い方は、水を上手く巡らせると体重が2.3キロ減る事も多いですよ。 そんな時に使っていく漢方薬は「白朮」「茯苓」の利水作用のある生薬が入っている漢方薬です。 浮腫まれている方、浮腫んでいる原因は何かの病気が潜んでいるかもしれません…注意してくださいね。 「防風通聖散」まとめ 痩せると噂の「防風通聖散」。痩せる理由は「臓毒の改善」、「清熱」にありました。 必ずしもダイエットに効くという漢方薬ではないのでご注意くださいね。 「痩せる」事が目的で漢方薬服用の際は自分の体質に合った漢方薬をお飲みになってください。 関連