漢方薬について

実は万能な「芍薬甘草湯」。つり・こむら返り以外の使い方。

最近足がつってしまう…という時に使われる事の多い漢方薬が「芍薬甘草湯」です。

「芍薬甘草湯」は聞いた事がある漢方薬なのではないでしょうか?

実は「芍薬甘草湯」は足のつり(こむら返り)以外にも使う事の多い漢方薬なんです。

今回は「芍薬甘草湯」のお話しをさせて頂きますね。

「芍薬甘草湯」はシンプルな漢方薬です。

「芍薬甘草湯」は、「芍薬」「甘草」の2つの生薬から出来ているシンプルな漢方薬なんです。

まずは2つの生薬の説明を軽くしていきますね。

「芍薬」について

「芍薬」って実は2つあるってご存知でしたか?

緩める作用の強い「白芍薬」と血熱を冷ます作用の強い「赤芍薬」です。

オ血(血の巡りの悪さ)に使う「桂枝茯苓丸」などの場合は、「赤芍薬」が使われる事が多いです。

「芍薬甘草湯」に使われているのは「緩める働き」が強い「白芍薬」になります。

「白芍薬」は筋肉はもちろんの事、「緩める働き」は色々な部分に作用してくれています。

例えば精神的にも緩める作用がある為、うつ病や不眠などに使われる「加味逍遙散」「抑肝散」などにも入っている生薬です。

「甘草」について

漢方薬は「甘草」が入っている事がすごく多いです。

「甘草」自体に抗炎症作用や鎮咳作用などがありますが、「甘草」には他の薬味の力を強めたり毒性を緩和する力があります。

他にも甘みが強い為、「急迫緩和」の緩める効果もあります。

説明してきたように「甘草」は万能なんですが、低カリウム血症と言われる血圧が上昇してしまう副作用が出てしまう事があるんです。

低カリウム血症はまれに出る事のある副作用だったのですが、近年「甘草」が食品の添加物に使われるようになり甘草量の摂取量が多くなって来ている方が多いです。(たくあん、醤油など)

その為、低カリウム血症の症状が出る方が多くなってきてしまっています。

足のつり(こむら返り)以外での「芍薬甘草湯」の使い方。

2つの生薬(「甘草」「芍薬」)の説明をしてきましたが、2つとも緩める効果が高い漢方薬になっています。

「芍薬甘草湯」を足のつり(こむら返り)で使うのも筋肉を緩める効果を期待して出していきます。

筋肉を緩める為、胆石や膵石などの疼痛発作などにも胆管や膵管を緩める事で石を流していきます。(石を小さくする作用はありません。)

神経痛などにも頓服として使われ、痛みを緩めてくれます。

組み合わせる事で他の使い方も

「芍薬甘草湯」ですが、加味したり(生薬を加える)・合方する(漢方薬を一緒に併用する)事でまた違った効能を示します。

「附子」を加える事で「芍薬甘草附子湯」となり冷えていたり慢性化している関節痛神経痛などに使用していきます。

「附子」「大黄」「細辛」を加える事で「芍甘黄辛附湯」となり坐骨神経痛や下肢の神経痛にも使われてきます。

他にも「抑肝散」「柴胡桂枝湯」などとも合方する(漢方薬を一緒に併用する)事があり使い方は縦横無尽です。

「芍薬甘草湯」まとめ

足のつり(こむら返り)に使われる事の多い「芍薬甘草湯」ですが、

〇筋肉を緩める
〇痛みを取る

事なら何でも使えます。

「芍薬甘草湯」は実は万能なんですよ~