漢方薬について

利水と利尿の違いは?気になる浮腫みを改善する「五苓散」。

今回ご紹介する漢方薬は「浮腫み(むくみ)」「頭痛」「腎炎」などに使う事の多い「五苓散」です。
 
「五苓散」は特に「浮腫み」に使うイメージが強いですよね~
 
「下痢」にも良く使うと書いていましたが、「浮腫み」「頭痛」の方が圧倒的に使う事が多い気がします。
 
そんな「浮腫み」「頭痛」に良く使われる漢方薬「五苓散」の解説していきますね~

「五苓散」てどんな漢方薬?

「五苓散」は、
 
〇桂皮(ケイヒ)
〇猪苓(チョレイ)
〇茯苓(ブクリョウ)
〇白朮(ビャクジュツ)
〇沢瀉(タクシャ)
 
の5種類からなる漢方薬です。
 
以外に少ないんですよね…
 
基本的には「水毒」(水の滞り、巡りの悪さなど)を改善する「猪苓」「澤瀉」「白朮」「茯苓」
 
「気の上衝」「寒」を改善する「桂皮」に分かれます。
 
水の流れを調節して「気の上衝」を改善する事で「頭痛」などの症状にも使う事が可能です。

口の渇きが特徴の「五苓散」

「五苓散」の特徴として「口の渇き」があります。
 
詳しく説明していくと、
 
「発汗」する事で「血液中の水分低下」→水分低下による身体の反射神経により「口渇」が起こるという形です。
 
「口渇」がおこる事による「冷水服用」「胃の冷え」「胃の働きの低下」「消化器内水分貯留(胃の中に水分が留まる事)」と繋がります。
 
「嘔吐」「下痢」などの症状に「五苓散」が使えるのは、この「胃の中に水分が留まる事」が原因です。
 

「五苓散」の利尿作用と利水作用とは。

少し前にもお話ししましたが、「水毒」を改善する生薬として「猪苓」「澤瀉」「白朮」「茯苓」があります。
 
「胃内停水」と言われる「胃の中の水の滞り」を改善する生薬が「白朮」「茯苓」です。
 
また尿の量や尿の回数が少ない「尿不利」を改善する生薬が「猪苓」「澤瀉」になります。
 
「利水作用」「利尿作用」の違いを分けると
 
「利水作用」→滞っている水を身体全体に流し水分の循環を良くする。
 
「利尿作用」→滞っている水を尿として出す。
 
という違いがあります。

「五苓散」は組み合わせる事でその他の疾患にも使う事が。

「腎炎」「膀胱炎」などの疾患にも使う事があり、その時は血尿などにも使える「猪苓湯」と併用すると改善が見られやすくなります。
 
その他にも「女性の尿道炎や膀胱炎」の時には「当帰芍薬散」
 
「自己免疫疾患」には「小柴胡湯」
 
など色々な漢方薬と組み合わせる事で様々な効果を発揮します。
 

「五苓散」 まとめ

「五苓散」についてご説明させて頂きました。
 
「浮腫み(むくみ)」「頭痛」など「水の流れを改善する漢方薬」「五苓散」になります。
 
水の滞りを全身に上手く巡らせることで改善する「利水作用」と水の滞りを尿として出す「利尿作用」どちらの効果もある漢方薬です。
 
その他にも他の漢方薬と組み合わせる事で様々な「疾患」「症状」に使えます。
 
今回ご紹介しました「浮腫み」「頭痛」に関しては、ホームページでお話ししています。
 
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂ホームページ 「浮腫み」
 
太陽堂ホームページ 「頭痛」