漢方薬について 胃炎だけじゃない。卵管閉塞の漢方「六君子湯」とは? facebook tweet はてブ LINE 2018.07.17 by 前原 信太郎 0 今回の漢方薬のご紹介は不妊・婦人科を担当させて頂いている「前原」がさせて頂きます。 ご紹介する漢方薬は「胃腸病」に使われる事の多い「六君子湯」です。 ・胃腸が弱く食欲がない ・胃酸の逆流でみぞおちがつかえる など「胃炎」や「胃もたれ」・「逆流性食道炎」に使われる事が多い「六君子湯」なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか? 「胃癌」の一番の原因と言われている「萎縮性胃炎」も「六君子湯」が使われる事が多いです。 私自身もドラッグストアや薬店に陳列されているのをよく見かけます。 胃の症状で使われる事の多い「六君子湯」ですが、太陽堂では「卵管閉塞」に使われる事が多いです。 「卵管閉塞」とは簡単に言うと子宮と卵巣の通り道である「卵管」が塞がれてしまう病気で不妊症の原因になってしまいます。 今回は「胃炎」や「胃もたれ」で使われる事の多い「六君子湯」が、不妊の原因にもなる「卵管閉塞」に対してどのような効果があるかをお話ししていきますね。 「六君子湯」てどんな漢方薬? 「六君子湯」は 〇人参(ニンジン) 〇白朮(ビャクジュツ) 〇茯苓(ブクリョウ) 〇半夏(ハンゲ) 〇陳皮(チンピ) 〇大棗(タイソウ) 〇甘草(カンゾウ) 〇生姜(ショウキョウ) の8種類からなる漢方薬になります。 これは豆知識なのですが、元々は6つの生薬(「人参」「半夏」「茯苓」「白朮」「陳皮」「甘草」)を6人の君子(敬意を払う尊称)に見立てて「六君子湯」という名前がついたみたいです。 「六君子湯」の事を書こうと思って細かい部分を調べてみたら載っていました(笑) 生薬の細かい説明いきますね~ 「人参」は元気を補い、精神を安定させる作用があります。 「人参」は他の生薬とも相性が良く「人参」・「白朮」で胃腸の引き締め、「人参」・「茯苓」で気虚を補う効果です。 また「白朮」・「茯苓」で滞っている水の流れを整え、「半夏」・「陳皮」で嘔吐や胃酸過多を抑える作用で「水毒」を改善。 6つの生薬(「人参」「半夏」「茯苓」「白朮」「陳皮」「甘草」)に「生姜」と「大棗」が加わる事で、生薬の毒消しや脾胃の調和をし自己治癒力を高める効果へと繋がります。 「六君子湯」が卵管閉塞をどのように改善するのか? この説明だとやっぱり胃に聞く漢方なのでは…と思いますよね(笑) では「卵管閉塞」と絡めてお話しをさせて頂きます。 「卵管閉塞」は東洋学的に考えると「オ血(血液の流れが悪くなる状態)」と「水滞(水の流れの悪さ)」が原因です。 漢方薬の説明をした所でもお話しさせて頂いたように「六君子湯」は「白朮」・「茯苓」・「半夏」・「陳皮」と「水毒」を改善する生薬が多くなっています。 その為「水滞(水の流れの悪さ)」を改善する事で「卵管閉塞」を改善するのが「六君子湯」です。 また「六君子湯」はその生薬の組成から「無気力」や「倦怠感」、「貧血」や「虚弱体質」などの症状を良くしていく作用があります。 そこから考えると卵管閉塞の改善だけではなく、不妊でお悩みの女性の「体質改善(ホルモンバランスの改善)」の効果も… ただ「六君子湯」だけでは改善が難しいので微調整が大事になってきます。 「六君子湯」 まとめ 今回は「六君子湯」を「卵管閉塞」に絡めてお話しさせて頂きました。 「六君子湯」=「胃腸」というイメージが強いので、今までのイメージにはなかった漢方薬の効果に驚かれた方も多いのではないでしょうか? もちろん「胃腸」には使えますが、「卵管閉塞」にも使う事は多くなっています。 「水毒」を改善する事で諸症状を取る「六君子湯」、ぜひ覚えて下さいね~ 今回ご紹介しました「卵管閉塞」・「萎縮性胃炎」に関しては、ホームページでお話ししています。 ぜひ参考にされてみて下さい。 太陽堂ホームページ 「卵管閉塞・卵管狭窄(卵管通過障害)」 太陽堂ホームページ 「萎縮性胃炎」 関連