漢方薬について その辛い症状の黄色の鼻水・鼻詰まりの漢方「辛夷清肺湯」。 facebook tweet はてブ LINE 2018.03.31 by 林 泰太郎 0 今回ご紹介する漢方薬は「副鼻腔炎」や「蓄膿症」に使う事の多い「辛夷清肺湯」です。 近年「副鼻腔炎」の方は多くなっています。(急性と慢性を合わせると毎年「1000万人以上」の方が苦しまれている病気と言われるようになってきました。) また難病指定されている「好酸球性副鼻腔炎」という病気まで出てくるように… そんな「副鼻腔炎」に使う事の多い「辛夷清肺湯」がどんな漢方薬か解説していきますね~ 「辛夷清肺湯」てどんな漢方薬? 「辛夷清肺湯」は 〇石膏(セッコウ) 〇麦門冬(バクモンドウ) 〇黄芩(オウゴン) 〇山梔子(サンシシ) 〇知母(チモ) 〇百合(ビャクゴウ) 〇辛夷(シンイ) 〇枇杷葉(ビワヨウ) 〇升麻(ショウマ) の9種類からなる漢方薬です。 肺熱(虚熱)による濃厚な鼻汁に使えるのが「辛夷清肺湯」です。(その他にも鼻閉や肥厚性鼻炎などの症状にも使えます。) 肺熱?虚熱?わかりずらいですよね(笑) 深く考えずに「鼻に熱が留まっている」ので濃い鼻水が出ている状態と考えて頂けたらそれで大丈夫です。 熱がある状態の為、中に入っている生薬も「清熱作用」のある生薬が多くなっています。 「清熱作用」がある生薬は「黄芩」・「山梔子」・「知母」・「石膏」・「升麻」になります。 この中でも「知母」と「石膏」は相性が良く、組み合わせる事で「清熱作用」を強める事が可能です。 また「辛夷清肺湯」は「濃厚な鼻汁」に対して「潤わせて排膿」という作用もあり「潤」の作用がある生薬も多くなっています。 「潤」の作用がある生薬は「百合」・「麦門冬」・「枇杷葉」に「知母」と「石膏」です。 名前にある「辛夷」の説明がないと思われた方もいると思います(笑) 「辛夷」は「清熱作用」があるわけではなく「熱を散(散らす)」事で鼻の通りを良くしてくれます。 お話ししてきたように「辛夷清肺湯」は「潤」と「清熱」の漢方薬です。 「辛夷清肺湯」は組み合わせる事で色々な作用が。 太陽堂では「辛夷清肺湯」は一つだけで使う事は少ない漢方薬です。 いくつかご紹介させて頂きますね~ まず炎症が強い時は「葛根湯」を組み合わせる事で「抗炎症作用」を強めます。 膿が多い時は「排膿散及湯」を組み合わせて「排膿作用」を強めます。 「鼻茸(鼻ポリープ)」がある時は「ヨクイニン」を合わせて塊を取っていきます。 漢方薬はコンビネーションが大事になり、組み合わせる事で効果をあげていく事が重要です。 「辛夷清肺湯」 まとめ 「辛夷清肺湯」についてご説明させて頂きました。 花粉症が国民病と言われているだけに「鼻の疾患」で悩まれている方も年々増えてきています。 食べ物や温暖化などの環境的にも「内熱(中にたまる熱)」は多くなってきている状況です。 そんな環境の変化もある為、「清熱作用」が強い「辛夷清肺湯」が合う方は年々増えてきているのかもしれないですね。 また今回ご紹介しました「副鼻腔炎・蓄膿症」に関しては、ホームページでお話ししています。 ぜひ参考にされてみて下さい。 太陽堂ホームページ 「副鼻腔炎・蓄膿症」 関連