漢方薬について

花粉の時期到来。アレルギーの救世主「小青竜湯」とは?

今回ご紹介する漢方薬はアレルギーで使う事の多い「小青龍湯」です。
 
近年東京都民の2人に1人は「花粉症」と言われ年々患者さんの数は多くなっています。
 
調べてみた所「花粉症率」が最も高いのは群馬県、2位が山梨県、 3位は滋賀県と書かれていました。
 
花粉の種類も量も多くなり春先にピークがくる「スギ」「ヒノキ」だけではなく、秋の「ブタクサ」の時期も長くなっています。

そんな花粉症に使う「小青竜湯」がどんな効果があるか解説していきますね~

「小青龍湯」てどんな漢方薬?

「小青龍湯」

〇麻黄
〇芍薬
〇乾姜
〇甘草
〇桂皮
〇細辛
〇五味子
〇半夏

の8種類からなる漢方薬です。
 
東洋学的にいう「溢飲(いついん)」の時に使いやすくなっています。
 
難しい言葉が出てきましたね~(笑)
 
溢飲(いついん)とは水分が溢れている(あふれている)状態になり、水分があふれると「鼻水」や「痰」「浮腫み」などの症状に繋がります。
 
これも東洋学的な言葉になるのですが「水は寒なり」という言葉があり、身体が冷えると水が溢れてしまうという意味です。

「小青龍湯」の中の生薬を見てみると「温」「熱」の生薬が多くなっていて、この溢れている水を改善していきます。
 
「乾姜」「熱」になり、「細辛」「半夏」「五味子」「桂枝」「麻黄」「温」です。
 
特に「桂枝」「麻黄」は発表作用があり「表寒(寒気)」も改善してくれます。
 
「小青龍湯」は温める事で鼻水やくしゃみだけではなく、色々なアレルギー性の症状を治す漢方薬です。

最近では「小青竜湯」が効きずらい方も多くなっています…

元々は「小青竜湯」のみで効きが良かった方も

・温暖化
・夏の冷房による発汗不足
・冬の暖房による内熱の蓄積、
・肉類や油物の取り過ぎ
・緑物の不足
 
などにより効果が低くなってきています。
 
その為「石膏」を入れる事で「内熱の改善」をしてくれます。(「石膏」を入れすぎてしまうと「小青龍湯」の温める作用が少なくなるので適量を使う事が大事です。)
 
また「柴胡剤」を併用する事による体質改善なども重要になってきます。
 
他の漢方薬でもそうですが、環境に応じて色々変化を加えていく事が大事ですね~

生薬 「麻黄」に注意。

皆さんご存知の「葛根湯」「麻黄湯」、今回ご紹介しました「小青竜湯」は中に入っている「麻黄」に注意です。
 
「麻黄」には心負担がある為、副作用を出ずらくする必要があります。(天日干しすると副作用が少なくなりますよ。)
 
ぜひ自己判断で使うのは止めて下さいね。
 

「小青竜湯」 まとめ

「小青竜湯」についてご説明させて頂きました。
 
花粉症と言えば「小青竜湯」と言われるくらい有名な漢方薬です。
 
「小青竜湯」は温める事でアレルギー症状を止めていきます。
 
環境問題もある為、近年は微調整してく事が大事になってきますね。
 
花粉症の方も年々多くなり、病院のお薬で「眠気が出て辛い」「口が渇く」という方も多いのではないでしょうか?
 
漢方薬は効き目が遅いと思われている方も多いと思いますが早目に効果が出る事も多いですよ~
 
花粉症やアレルギーに使う漢方薬は「苓甘姜味辛夏仁湯」「麻黄附子細辛湯」などもありますのでぜひそちらもご覧になって見て下さいね。
 
「苓甘姜味辛夏仁湯」
 
「麻黄附子細辛湯」
 
また今回ご紹介しました「花粉症・アレルギー性鼻炎」
 
近年アレルゲンは関係しない鼻炎「血管運動性鼻炎」に関しては、ホームページでお話ししています。
 
ぜひ参考にされてみて下さい。
 
太陽堂ホームページ 「花粉症・アレルギー性鼻炎」
 
太陽堂ホームページ 「血管運動性鼻炎」