漢方薬について 「麻黄湯」「葛根湯」インフルエンザの漢方薬の使い分けは? facebook tweet はてブ LINE 2017.12.08 by 林 泰太郎 0 12月を過ぎると「インフルエンザ」にかかる方が多くなってきますね。 11月から徐々にインフルエンザ感染者数が増え、12月には急激に増加し、1月下旬から2月初旬ごろ感染者がピークになる傾向になります。 「インフルエンザ」の事を調べていて思ったのですが、「インフルエンザ」のシーズンて何月から何月なんだろうと素直な疑問が生まれました… そこで調べて見た所、「毎年、第36週(8月末~9月初旬)から翌年の第35週までの1年間」を「インフルエンザシーズン」と呼び、インフルエンザにかかった人数の統計を出すみたいです。(東京都感染症情報センターに書いてありました。) 「インフルエンザ」の漢方薬と言えば? 「インフルエンザ」になると病院で出される漢方薬は「麻黄湯」や「葛根湯」です。 「神秘湯」や「甘草湯」・「小青竜湯」なども出されることがありますが「麻黄湯」や「葛根湯」が基本の漢方薬になっています。 「麻黄湯」と「葛根湯」は何が違うのか考えていきましょう。 「麻黄湯」と「葛根湯」の違い 当たり前ですが、入っている生薬が違います。(笑) 「麻黄湯」は、 〇麻黄 〇杏仁 〇桂枝 〇甘草 の4種類。 「葛根湯」は、 〇葛根 〇麻黄 〇生姜 〇大棗 〇桂枝 〇芍薬 〇甘草 の7種類になっています。 入っている生薬を見て頂いたらわかると思いますが、入っているものが同じ生薬も多いです。 その為似ている症状にも使っていきます。 「麻黄湯」と「葛根湯」の共通している部分 どちらも「桂枝」と「麻黄」の温める作用の生薬が入っています。 温める作用により「表寒」、「表実」を取ります。(悪寒・発熱、頭痛や筋肉痛などの症状。) 風邪のひきはじめの「ぞくぞくする寒気」を取るのは「桂枝」と「麻黄」になりますね。 また「桂枝」と「麻黄」には発汗作用があり発汗する事で「水の滞り」を取ります。 「麻黄湯」と「葛根湯」の違う部分 「麻黄湯」には「麻黄」と「杏仁」が入っている為、「利水作用」があります。 「麻黄」の量が多い為、「葛根湯」よりも実証の方に使う事が多く「関節痛」に使っていきます。 「葛根湯」には「大棗」・「生姜」・「甘草」の脾と胃を補う作用と「葛根」による項背強(うなじと背中の強ばり)、上焦の炎症、充血(血滞)を改善する作用があります。 この「大棗」・「生姜」・「甘草」が入る事で筋肉痛にも使える事が大きな違いになってきます。 「麻黄湯」と「葛根湯」の使い分けまとめ 細かい作用としてはもっと色々ありますが、今回は「麻黄湯」と「葛根湯」の違いについて書かせて頂きました。 「麻黄湯」は「葛根湯」よりも「麻黄」の量が多い為、「葛根湯」よりも実証の方に使いやすい漢方薬になっています。 「関節痛」と言えば「麻黄湯」。 「筋肉痛」・「項背強(うなじと背中の強ばり)」といえば「葛根湯」。 適当に使うのではなく、症状や体質などから使い分けていく事が大事ですね。 関連