漢方薬について 認知症に作用?筋肉・神経の緊張に使う「抑肝散」とは。 facebook tweet はてブ LINE 2018.07.05 by 林 泰太郎 0 今回ご紹介する漢方薬は最近「認知症」で注目されている「抑肝散」です。 個人的には「抑肝散」は「認知症」にはそこまで効果がないんじゃないかな~と思っています。 それよりも「釣藤散」や「柴胡加竜骨牡蛎湯」・「丹参などの血流を良くする生薬が入っている漢方薬」の方が効果があるんじゃないかと… あくまでも個人の見解ですが「抑肝散」には「認知症」に効きやすそうな漢方薬は少ないように思います。 個人的には「釣藤鈎」や「柴胡」ぐらいですかね。 ただ「抑肝散」は太陽堂でも出す事が多く、色々な効果を発揮してくれます。 それでは「抑肝散」の解説していきますね~ 「抑肝散」てどんな漢方薬? 「抑肝散」は 〇当帰(トウキ) 〇釣藤鈎(チョウトウコウ) 〇川キュウ(センキュウ) 〇白朮(ビャクジュツ) 〇茯苓(ブクリョウ) 〇柴胡(サイコ) 〇甘草(カンゾウ) の7種類からなる漢方薬です。 「柴胡」と「釣藤鈎」は「肝気の亢進」を止める働きがあります。 難しい言葉の「肝気の亢進」が出てきましたね~ 東洋学では「肝は筋を司る」・また七情の中の「怒」が「肝」と関係してきます。 なので「抑肝散」は、 ・イライラや神経の高ぶり ・手の震え、痙攣 ・落ち着きのなさ などに効果が高いです。 実際太陽堂では「まばたき」や「首振り」などをしてしまう「チック症」や「トゥレット症」に使う事が多くなっています。 話しを生薬に戻しましょう~ 「白朮」・「茯苓」で脾胃の水を改善。 「当帰」と「川キュウ」で肝気不足で肝血消耗の改善。 「甘草」は筋肉痙攣を改善。 「抑肝散」は生薬を加える事で効果を増量。 「抑肝散」に「陳皮」と「半夏」を加えた漢方薬が「抑肝散加陳皮半夏」です。 「陳皮」と「半夏」を加えると更に虚証の人に使いやすく、子供の胃腸の調子を整えたり・気うつにも使う事が出来ます。 また「芍薬」と「黄連」を加えた「抑肝散加芍薬黄連」は心の熱を鎮めたり精神的に緩める事で「不眠」や「チック症」に使われる事が多いです。 前にも「芍薬」と「甘草」の二味が入っている「芍薬甘草湯」のお話をしましたが、「芍薬」を加える事で「芍薬甘草湯」の方意も加わり緩める効果が強まります。 「芍薬甘草湯」に関しても詳しく書いていますので興味のある方は「芍薬甘草湯」をご覧になって見て下さい。 太陽堂ブログ 実は万能な「芍薬甘草湯」。つり・こむら返り以外の使い方。 婦人科の漢方薬「当帰芍薬散」とも似ている? 「当帰芍薬散」は 〇当帰(トウキ) 〇川キュウ(センキュウ) 〇芍薬(シャクヤク) 〇茯苓(ブクリョウ) 〇白朮(ビャクジュツ) 〇沢瀉(タクシャ) の6種類からなる漢方薬です。 皆さんもお気づきかもしれませんが「抑肝散」と結構似ています。 「釣藤鈎」・「柴胡」・「甘草」が抜け「沢瀉」・「芍薬」が加わったのが「当帰芍薬散」です。 最初に説明させて頂いた「釣藤鈎」・「柴胡」の「肝気亢進」がない為、精神的な症状には「当帰芍薬散」はあまり使いません。 ただ婦人科や不妊症に使う事の多い「当帰芍薬散」ですが、筋肉の痙攣などを「当帰芍薬散」で良くした経験があります。 「当帰芍薬散」は婦人科・不妊症だけで使うわけではないんですよ~ 「抑肝散」 まとめ 「抑肝散」についてご説明させて頂きました。 最近注目を集めていますが、個人的には「認知症」には「抑肝散」があまり効果がないのかなと… 「抑肝散」はイライラや神経の高ぶり、筋肉の過緊張に効果の高い漢方薬です。 「チック症」や「トゥレット症」などの病気にも効果が高くなっています。 また不妊症や婦人科で有名な「当帰芍薬散」とも似ている漢方薬ですよ~ 今回ご紹介しました「チック症・トゥレット症」に関しては、ホームページでお話ししています。 ぜひ参考にされてみて下さい。 太陽堂ホームページ 「チック症・トゥレット症」 関連